MINSK "The Rituals Of Abandonment"

さぁ来ました。
近年稀に見る大物ドゥーム・メタラーの登場です。これは凄い。
まさか、ヘヴィ・メタル受難の時にあって
よりによって新しいドゥーム・メタルが現れるとは。
これはもうテンションが上がらざるを得ない。
元気なのか、リー・ドリアン。昔から分からなかったのだが、
CATHEDRALは、カテドラルなのか、カスィードラルなのか。
そんなMINSKさんですが、
ギターが重く響き、ベースが歪み、
ドラムスが遅く鳴り、ヴォーカルがじっとりと吼える。
美しきドゥーム・メタルの伝統を受け継ぎながらも、
ISISの規模感とSEPULTURAの呪術性を兼ね備えた力強いヘヴィネス。
加えて、黒々と美しいメロディをも兼ね備えた音楽性は、
まさに21世紀を切り拓くドゥーム・メタル。
彼らをして、トライバル・ヘヴィ・ロックと評する言葉もありましたが、
ヴォーカルの声がロブ・ゾンビ先生のそれに激似である事を考えると、
これはメタルと言わねばならないでしょう。
というか、壊滅と敗走を繰り返す崇高なるヘヴィメタルの歩兵達に
何かの手違いでジャンヌ・ダルクが遣わされたのだと信じたい。
ドゥーム・メタルの平成維新を見たくて仕方が無い。
それにしてもインターネットは恐ろしい。
ドゥーム・メタルの『ど』の字にすら興味のない
お洒落でトレンディなお姉さんがGOOGLEに騙され、
このサイトへ連れて来られ、私のレビューを通じて、
罷り間違って21世紀型ドゥーム・メタル・バンド・MINSKの名前を
覚えてしまう可能性がゼロではないと思うと、嬉しくて仕方が無い。
汚してやった。無茶苦茶にしてやった。。。もとい、
また一歩ヘヴィメタルは前進した。革命の時は近づいた。
そんな充実感で胸が一杯です。
このレビューを読んだ99%の方にとって
本当にどうでも良いアルバムのお話でした。
最後まで読んでくださって有難うございます。
おしまい。
TEAM SLEEP "TEAM SLEEP"

その高い実力やグラミー賞も受賞した実績とは裏腹に、
さっぱりブレイク感のないDEFTONESさん。
この伸び悩み状態が私には全く解せません。
やはり、メタル界の鬼軍曹ことテリー・デイト先生がプロデュースに関わり、
無理矢理にメタル界の明日を背負わせたのがいけなかったのでしょうか。
そんな煮え切らない世間の評価にブチ切れたのか、
ヴォーカリストのチノさんがソロワークとして始めたのがTEAM SLEEPさんです。
ところがこのTEAM SLEEPさん、デビューは随分前のことで、
マトリックスのサントラにも曲を提供し、本作が何とセカンドアルバム。
ファンの私ですらTEAM SLEEPの存在を知らなかった時点で、
DEFTONESってもう駄目じゃんと泣きそうになってしまいます。
DEFTONESにおいても「単なるヘヴィロックバンドじゃない」
と言い続け、ライヴではWeezerのカヴァーなども披露してみせるチノさん。
結果的に単なるヘヴィロックバンドより伸び悩んでいる事はともかく、
本作も単なるロックに留まらない、不思議感の強いアルバムです。
チノさん独特の浮遊感が漂うヴォーカルを軸とした、
アンビエントやポストロックの様な緩やかな暗さを醸しだしています。
ただ、DEFTONESさんとは根本的にベクトルが真逆を向いており、
おまけにチノさんのヴォーカルスタイルはむしろ
TEAM SLEEPさん方面に適していると言わざるを得ず、
「やっぱりメタルはイヤだったのか」と、
これはこれで泣きそうになってしまいます。
眠そうでいて、頭の奥の方がキリキリと研ぎ澄まされた様な
本作の雰囲気はとてもステキなのですが、
DEFTONESさんは眠ったら最後、皆に忘れられること請け合いなので、
チノさんは不眠不休で頑張って欲しいなと思いました。
(公開時期:2005年6月)
blackmail "friend or foe?"

嗚呼、思い出の独逸。
思えば、私が初めて行ったライヴはジャーマン・メタルのRAGEでした。
会場が梅田のど真中、お初天神通りのパチンコ屋の上にして居酒屋の下、という
どうしてそんな所に、と突っ込みたくなるような場所で、
見つけるのに随分苦労したのを思い出します。
思えば、私が初めて行ったテクノイベントには、ウエストバムが出ていました。
グランジサラリーマン真っ盛りであった私にとって、
オールナイトのテクノイベントは予想以上に拷問的イベントで、
目当てだった筈の石野卓球がプレイ中に疲れ果てて爆睡。
ふと目が覚めたら、まだ卓球がやっている。
長いなぁ、と思いつつ15分ほど見て気がついたのです。
DJは卓球さんから田中フミヤさんに変わっていました。
まぁ、総じて辛いテクノイベントでしたが、ウエストバムさんはステキでした。
そんなRAGEさんもウエストバムさんも独逸の出身です。
つまりドイツといえば、先に書いた通りテクノとメタルのメッカなのです。
両方足すと、燃える筋肉インダストリアルバンド・ラムシュタインになる訳で
地上の楽園とも言えるステキすぎる国です。たぶん。
そして今回ご紹介するのは、そんなドイツのギター・ロック・バンド、blackmailさんです。
black mailさんは、メタルでもテクノでもラムシュタインでもなく、
smashing pumpkinsから毒気を抜いたような、
ギターを中心に音をまとめた良い感じのロックバンドです。
powderfingerやweezer,oasisに近い雰囲気を持った万人受けするロックですので、
燃える筋肉(以下略)が苦手な方にもお楽しみいただけると思います。
オルタナティヴ以降いまひとつブレイクに恵まれなかったドイツ勢から
久々にブレイクを予感させるバンドの登場ではないでしょうか。
black mailはドイツ出身ですが、ニュージーランドのthe datsunsや、
フィンランドのNEGATIVE、意外な所ではスウェーデンのbackyard babiesなど、
そういえばロック後進国の躍進が目覚しい昨今です。
black mailさんもドイツの出世頭になるべく、頑張って欲しいなと思いました。
(公開時期:2005年2月)
OCEANSIZE "EFFLORESCE"

OCEANSIZEさんは本作がデビューアルバムのU.K.のバンドです。
プロデューサーを担当するのが、あのchris sheldonさん。
。。。やはり、ご存知ないでしょうか。実は、私も余り知りませんでした。
調べてみたところ、なかなか面白いバンドの作品に関わっています。
ALMIGHTYやTHERAPY?といった、U.K.の90年代メタルシーンを席巻するも
時代に恵まれず、一部のマニアさんへ知られるのみに留まった、
お好きな方には堪らないバンド達をプロデュースしていたのです。
タワレコのポップには、クリスさんについて『FOO FIGHTERSやFEEDERの作品にも関わった』
と書いてありましたが、本作の印象はこの一文から得るものとは大きく異なり、
むしろ、マニア向けの渋いヘヴィロックをやっています。
MTVやラジオでガンガンかかってる、というキャッチーな部分が無く、
incubusの静かなメロディとTOOLの静かな重さを感じさせるバンドです。
メロディの美しさ、ヘヴィなリフの圧力、その両者を往来する曲構成、
その全てに総じて高い実力を発揮する、新人さんらしならぬ実力派。
悪い言い方をしてしまうと、マーケットへアピールする所の少ない感じなのですが、
KRRANG!やNMEでも結構高い評価を得ているそうです。
憂鬱な梅雨を演出するに相応しい、辛気臭いバンドですが
来日公演に期待しています。地味に良いライヴやってくれそうです。
(公開時期:2004年6月)
BORIALIS "what you thought you heard"

summer sonic'04への出演も決まったBORIALISさんは、
すっかりロックバンドの標準装備となったターンテーブル1名を含む6人組のバンドです。
アメリカンロックにヒップホップを足した"ヒップ・ロック"だそうです。
初めて聞くジャンル名ですが、自分達の曲名にまでしているので間違い無いありません。
ロック+ヒップホップ、というとkid rockさんやquarashiさんが思い浮かびますが、
quarashiさんよりもアメリカンロック色が強く、
kid rockさんよりもスマートな雰囲気を持っています。
その一方で、CDに同梱されたビデオクリップによると、
ギタリストがSG(アンガス・ヤングと同じギター)を持っており
ロックもキッチリやれるバンドらしさを感じさせます。
アルバム全体を通じて、『パーティやる気満々です!』といったノリノリの雰囲気が満ち溢れており、
初期sugar rayさんのようなアメリカ人の馬鹿スピリッツが炸裂するアルバムのようですが
メロディパートもキッチリこなしており、案外聴けるアルバムです。
ラップメタルのジャンルとしての凋落が著しい中で、
広義のロック+ヒップホップにおける可能性が全て使い切られた訳では無い事が
outkastのアンドレさんの2003年グラミー賞獲得によって証明されました。
ロック以外のジャンルも楽しめる、という方ならば
今後のミクスチャーは、より面白くなるかもしれません。
(公開時期:2004年5月)

