blood duster"blood duster"

魅惑の観光大陸・オーストラリア。
コアラやカンガルーを初めとした、愛らしい動物たちの楽園。
エアーズロックやグレート・バリア・リーフに代表される雄大な自然の宝庫。
ロックファンには、AC/DCさんやpowderfingerさん、JETさんなど
優れたロックバンドを産み出す土地としても有名です。
そんな懐の深い大陸に、世界最凶の変態バンドが存在する事をご存知でしょうか。
それが、今回ご紹介するblood dusterさんです。
グラインドコアとデスメタルとハードロックをミックスした
"グラインド・デス・ロック"という、とても頭の悪そうなジャンルを提唱。
2NDアルバムにして『オーストラリアが産んだ世界最凶の変態バンド』と書かれる始末です。
こんな事が書いてあるポップ(アルバムの紹介文)、初めて見ました。
どう考えても嫌がらせですが、実際に音を聞いてみると確かにそんなバンドです。
本作は2ndアルバムなのですが、前作リリース時点から
かなりのバカ扱いを受けていたらしく、
『誰も予想しなかった(できなかった?)日本デビューを果たしてしまった』
などとアルバム帯に書かれています。なんというか、苛められっこのような扱いです。
でも致し方ないのかな、という気もします。
実際、"SixSixSixteen" "CockJunkie""Lets Fuck"という、
放送コードギリギリの曲名が並ぶアホアルバムです。
"Sk8ergrrl"なんて曲もあります。しかもこの曲、僅か26秒。
アヴリルのアレとは似ても似つかぬ、ゴリゴリのグラインドコアです。
とはいえ、バンド自体はなかなかの実力派。
実力派のTHE ENDさんも所属するRITUAL RECORDS所属だけあって、
ただのイロモノバンドではありません。
ハードロック部分は冗談でやっているのだろうと予想したのですが
予想以上にキッチリこなしており、ハードロックファンにも納得の内容です。
ヴォーカルはデス声一辺倒で吼えたり怒鳴ったり唸ったりする、ステキな声の持ち主。
楽器部隊は、ブラストビートで爆走する一方で、AC/DCさんばりの太めのリフから
Motley Crueさんのようなコテコテのハードロックリフまで弾ける、
器用で実力のあるメンバーが揃っているようです。
さて自分たちの高い実力を台無しにする、
グラインド・デス・ロックというコンセプトは結局のところ何を意味するか。
それは、グラインドコアがネタになるだけの一般性を獲得し始めている、
という事ではないしょうか。
もともと、何処までがネタで何処からがマジなのか分からないほど
キワモノ色の強いジャンルですが、
blood dusterさんによって、このジャンルにネタとマジの境界線が
引かれたのではないかと思います。
このバンドが試聴機に乗せられる可能性は低いような気がしますが、
ハードロックもグラインドコアもやれる、本当に実力のあるバンドです。
ネタをネタとして表現し切る事の難しさについては、
京極夏彦氏の著作、『どすこい』の解説に寄せられた
喜国雅彦氏の秀逸な一文を以って説明に代えたいと思います。
『漫才師は芝居をできるが、俳優に漫才はできない』
イギリスにthe darknessさんがいれば、オーストラリアにはblood dusterさんがいる。
そのぐらいのバンドになれる可能性が、あるような、ないような・・・
(公開時期:2004年2月)
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