CONVERGE "LONG ROAD HOME"

2002年末から『変態さん』という嫌がらせにしか聞こえないレッテルで
カオティックハードコアを盛り上げてきた私のレビューですが、
やはり彼等を取り上げずカオティックハードコアを語る事はできないでしょう。
今回は『カオティックハードコアの帝王』の異名を持つ
CONVERGEさんのDVDをご紹介したいと思います。
DVD自体は1枚なのですが両面がともに再生面となっており、
表面には超クールなライヴ映像が、裏面には超マイナーなレア・ライヴ映像が
それぞれ収録されています。
要するに1枚なのに2枚組な訳で、ハタチすぎてもkinki kidsみたいなモンです。
私は、購入直後この仕組みに気づかず、ずっと裏面だけを見ており、
『すげぇ小さい会場で割れまくりの音質。これぞカオティック!』
とか思っていたのですが、
表面を見るや、帝王の名に恥じぬ狂乱のライブ映像が流れ出し
『まさに帝王!』とか感動してしまいました。
要するにレアだろうがクールだろうが、
CONERGEさんのライヴが胸焼けするまで堪能できるわけです。
それにしても、これほど観客が暴れるライブ映像を見たのは初めてです。
前方ではダイブ後方ではモッシュと全体が百姓一揆の様に暴れまくっています。
そもそもステージの無い会場での映像が殆どで、
客が盛り上がる程にバンドの演奏スペースが減り、
しまいには動き回るヴォーカルが観客に飲み込まれ、
何処に居るのか分からなくなるという有様です。
また、ステージがあればあったで、海外の小さい会場の特徴なのでしょうか、
ステージが人間の腰ぐらいの高さしかなく、ステージダイブをカマすに最適の高さです。
当然の如く無数の観客がステージに登っては、空中1回転ひねりや空中前転など、
ルチャ・リブレ(メキシコのプロレス。過激な空中技で飛んだレスラーが死んだりする。)
の空中技並みにド派手なステージダイブをかましまくっており
その空中技に目を奪われた瞬間に、ヴォーカルさんが観客の波間に引っ張り込まれて
何処に居るのか分からなくなると言う有様です。
これほど過激なダイブを見てしまうと、
観客の間から飛び上がったり、大きなお兄さんに持ち上げてもらったりして
もったり転がる日本式のダイブはダサいと言わざるを得ません。
まさしく変態さんの帝王による、変態さんのためのライブです。
といった帝王のライヴを堪能できると同時に、
この作品はカオティックハードコアのルーツを知る事ができる映像でもあります。
結成時期が1990年という長い歴史を持つこのバンドは
当初ハードコアパンクとして認識されていたようで、
sick of it allやAgnostic Frontと比べられていた時期もあったようです。
このハードコアパンクをルーツにもつカオティック・ハード・コアバンドには
blood brothersが上げられるでしょう。
他方、dillinger escape planやthe endのように、
グラインド・コアを筆頭にしたメタルをルーツに持つバンドが
カオティック・ハードコアとして認識されているという事は
過去のレビューの中でも触れた通りです。
両者の音楽性に差異があることについては、私も認識しているのですが、
共に極めてエキセントリックでブッ飛んだ音楽である事に違いは無く、
カオティック・ハードコアの中で融合されていく音楽であると思います。
カオティック・ハードコア初心者にはお勧めできない作品ですが、
資料的価値の高い良心的な作品でした。
(公開時期:2003年9月)
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