Deftones "Deftones"

6年ほど前に、『RAGE AGAINST THE MACHINE,KORNの次はコイツらだ!』と
ブレイクを約束された煽られ方でシーンの表舞台に出てくるも、
煽られたタイミングがLIMP BIZKITのデビュー直前。
LIMP BIZKITにオイシイ所をゴッソリもって行かれてしまったという、
素晴らしく間の悪いバンドです。
彼らの曲を聞いた事がある人ならば分かる事なのですが
冒頭の煽り文句が致命的な誤解を招く表現です。
根本的にラップともヒップホップとも無関係で、
プロデューサーにはメタル文明の末期を支えたテリー・デイト先生を
一貫して起用するという、時代の風を徹底的に無視した職人肌のバンドです。
間の悪さには物凄いモンがありますが、しかし実力派です。
基本的にはヘヴィ・ロックですが、個々のパートが持つ要素が実に幅広いのです。
へなちょこテイストの利いた声で絶叫、という力の入れ方が良く分からんヴォーカルは
時折、自殺を決意した明治の文豪の様な、冷たく暗い綺麗なメロディを歌います。
バックの皆さんもスカスカとした音作りが基本で、どうもメタルっぽくありません。
『僕たちホントはメタルとか嫌いなんだけど、、、でも生活が掛かってるんです!』と
オルタナティヴ系の音で、精一杯マッチョにヘヴィーなリフを弾くのですが、
時折、笑う事に疲れ果てたホステスの横顔の様な、悲しいメロディを奏でています。
総じて悲しく暗く冷たい佇まいで、しかし必死にメタルをやっているような印象を受け、
『もうメタルはいいよ!テリー先生から逃げろよ!!』と、
間違った応援をしてしまいそうになります。
本作でも基本路線に大きな変化は無く、個性の強い独自の世界を作り上げています。
前2作と比べても見劣りしない優れたアルバムですが、
いかんせんMETALLICAと新譜リリース時期がバッティングしており
あっという間にMETALLICAに話題をさらわれてしまいました。
あくまでも、どこまでも間の悪いバンドです。
逆風以外の風が彼らにふく事は、今後も無さそうな気がしますが、
めげずに冷たく暗いヘヴィロックで頑張って欲しいと思います。
(公開時期:2003年6月)
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